【事例紹介】 上田市民エネルギー 様
長野県上田市のNPO法人・上田市民エネルギーさんが運営する「相乗りくん」は、太陽光パネルに出資する人と屋根を貸す人が「相乗り」して、地域に太陽光発電を広げていく全国でも珍しい取り組みです。
仕組みをコンパクトに説明できる入口がほしい——そんなご相談を受け、TEAMMATEは上田市民エネルギーさんと、アニメーション動画の制作に踏み出しました。
完成した動画は公開直後に一気に1000回以上視聴され、特に最初の1〜2週間の反響は大きな手応えがありました。一方で、「どう届けるか」「NPOらしさをどう表現するか」といった新たな課題も浮かび上がりました。
今回は、上田市民エネルギーの藤川さんと平澤さんに、制作の背景や動画の反応について伺いました。
太陽光発電の「気持ちいい」感覚を届けたい
——まずは、今回の動画制作を始めた背景についてお話しいただいてよろしいでしょうか。
藤川さん:「相乗りくん」や「太陽光発電」の良さが伝わりきっていない、というのが、一番大きな課題でした。太陽光発電って最近は「ゴミになるんじゃないの?」「危険じゃないの?」といったネガティブな誤解が増えました。また、経済的メリットだけが魅力のように思われがちです。
太陽光発電そのものは「気持ちいい」感覚があるはずなのに、そこまで届かないのが惜しいなとも感じていました。
平澤さん:あと、相乗りくんの仕組みが少し複雑に思われてしまうという課題もありましたね。太陽光発電自体になじみがない方が初めて説明を受ける場合、いきなり仕組みから説明されても取っつきにくいかもしれない。だからこそ、まずは入口のハードルを下げるものが必要だと思っていました。
——たしかに、文章だけだとどうしても伝わりきらない部分ってありますよね。
藤川さん:そうなんです。「太陽光のハードルを下げる仕組みなのに、それが十分に伝わらない」というもどかしさがずっとあって。そこで、初期費用ゼロで始められる相乗りくんについて、よりやわらかく、誤解なく伝えられる動画があったらなと思っていました。
伝えたいことをすり合わせて、納得できるものに
——今回は構成案から絵コンテ、アニメーションまで段階ごとに確認しながら進めさせていただきました。制作プロセスはいかがでしたか?
藤川さん:すごく丁寧に進めていただいた印象があります。こちらは複数人で確認するので、毎回いろんな視点の意見が出るんですけど、それをきちんと受け止めていただけたのがありがたかったです。
——毎回、方向性をすり合わせながら整理していく感じでしたね。
藤川さん:そうですね。絵コンテを見て気づいたことを伝えて、また見直してもらう中で、自分たちが何を一番伝えたいのかが整理されていきました。もし1〜2回のやり取りで「これで完成です」と言われていたら、正直、良いのか悪いのか判断しきれなかったと思います。
平澤さん:動画制作は初めてだったのですが、こちらの言葉のニュアンスをくみ取っていただけたのは助かりました。「この言葉はもう少しやわらかいほうがいいかも」とか、「ここは伝えたい意図と違うかも」とか、結構遠慮なくお伝えしたのですが、細かいことも拾っていただけたかなと思います。
——言葉の整理も一緒に進められたのが良かったですね。
藤川さん:案を見ながら意見を出して、それをまた形にしてもらう。その積み重ねで、動画の内容がどんどん納得のいくものになっていった感覚があります。

完成した動画への反応と「相乗りくんらしさ」への気づき
藤川さん:動画が完成した時は事務局ですごく盛り上がりました。「できた!」「すごいね!」とみんなで喜び、手作りでは絶対に出せない完成度だね、という話にもなりました。
相乗りくんのブランド感が出たような実感もありました。
そして公開後、最初の1〜2週間で一気に再生数が伸びたんです。「見てもらえている!」という手応えもあって、そこはすごく嬉しかったですね。
藤川さん:一方で、ネット上のの反応は思ったより少なかったんです。「もっとコメントがあると思ったのにな……」という気持ちもあって。完成度が高かったぶん、少し“企業CMっぽく見えすぎてしまったのかもしれない”という気づきもあります。わたしたちはNPOなので、NPOらしさ、手作り感みたいなものを、もっと出せたらよかったのかもしれない。
——こういう実感を伺えるのはすごくありがたいです。出してみてこそわかるものだとも思うので、次の表現づくりに必ず活かせると思います。
藤川さん:そう思います。完成度が高かったことで見えた課題でもあるので、次につくるなら相乗りくんらしいスパイスをどう加えるか、もっと考えていきたいです。
——次はこんなものがあったらいいな、というイメージはありますか?
平澤さん:相乗りくんって、口コミで広がっている印象があるので、それを広める手助けになるような動画ができたなら、すごく良いんだろうなぁとも思います。
藤川さん:そうですね、相乗りくんで太陽光パネルをつけた方の等身大のの声とか。やっぱり使っている人の声が届けられると良いのかなと思います。一度、そんな声を記事でまとめてみたことがあるのですが、継続的に発表するまではいかなくて。
——なるほど。実写でまとめるのもいいかもしれませんね。例えば、太陽光パネルを設置する瞬間に立ち会って密着インタビューすると、リアルさだったり手作り感が出るかもしれません。
口コミで広がっている、顔の見えるサービスというところを、もっと伝えたい気持ちになりました。
平澤さん:たしかに、次は実写もいいのかもしれないですね。

営業や説明会での活用の可能性
——今回動画をつくって効果は実感できましたか?
平澤さん:サイトや動画ができたことで見やすくなった、ということはもちろんありますし、実際に問い合わせの件数は増えています。一概に何が良かったのか定量的な効果は断言できないのですが、一助にはなっているのかな、と。
——増えてるんですね……! よかったです。ちなみに、動画を活用できている実感はありますか?
平澤さん:正直、使い方はまだ模索しているところが多いです。相乗りくんも太陽光も仕組みの説明がどうしても長くなってしまうので、説明会や営業の場面で「まず動画を見てもらう」という使い方は、これから試したいですね。最初に動画があると、やわらかい印象にもなるかなと思いますし、導入が短くなるぶん、説明会ではもっと深い話ができるようになると思います。
——資料内で動画のスクリーンショットを使ったり、動画と紙の資料を合わせて伝えるのも良いかもしれませんね。
藤川さん:そうですね、資料と動画がつながると、より伝わりやすくなるかもしれませんね。
まとめ
相乗りくんは、地域で太陽光の電気を増やしていく、とてもユニークで意義のある取り組みです。今回、その魅力をどう伝えるかを一緒に整理しながら、動画制作を進めていく中で、上田市民エネルギーのみなさんの思いに触れることができました。
初めての方に相乗りくんの良さを直感的に伝えられる“入口”として、今回の動画がこれからの活動に少しでも役立てば嬉しいです。
上田から、太陽光のある暮らしが更に広がっていきますように!

